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研究概要

主な研究テーマと概要

(Ⅰ) 立方晶窒化ホウ素 (cubic Boron Nitride, cBN) とその応用に関する研究
CVD(化学的気相成長法)により作製した高純度hBN(六方晶窒化ほう素)の超高温・超高圧下での直接転換法により新しい多結晶形cBN(立方晶窒化ホウ素, cubic Boron Nitride)を合成し,超砥粒やマイクロ工具等の先進加工用ツールに応用する研究を進めています。この物質は,サブミクロンオーダの超微細一次結晶粒子が強固に結合した結晶構造を有する新しいタイプのcBNで,超微結晶cBN (Ultrafine-Crystalline cBN, UcBN) と名付けました。従来の単結晶cBNに比べて,数倍の強度を有すると共に,すぐれた耐摩耗性(切れ刃維持性)を備えており,研削ホイールやマイクロ工具など幅広い分野でその応用が期待されています。
この新しい物質を利用して,21世紀を担う次世代環境調和型先進加工システムの構築を目指しています(図1)。

  さらに,cBNに関する研究の一環として,以下のような研究を行っています。

◎cBN砥粒切れ刃挙動の3次元トポグラフィとフラクタル解析 (図2)

◎cBN砥粒切れ刃によるマイクロ除去機構の有限要素法解析 (図3PDF)
◎250m/sを超えるcBN超高速研削メカニズムの解明 (図4PDF
◎マイクロドレッシングによる高能率鏡面研削 (図5PDF)

(Ⅱ) 硬脆材料の延性モード超精密鏡面加工法の研究
  シリコンやガラス等の脆性材料の加工においても,極微小切込み制御を行なうことにより脆性破壊を伴わない延性モード加工を実現することが可能で,この方法を用いた各種超精密・微細加工法の開発を行なっています。図6(図6PDF)は炭化ケイ素セラミックスの超精密研削加工面のAFM象で,切れ刃の作用で形成された微細な条痕(CES)の表面には高さ約1ナノメータの超微小突起(UFP)が無数に存在しているのが把握されます。

(Ⅲ) 原子間力顕微鏡AFMを用いたナノスケール加工の研究
  原子間力顕微鏡AFM(垂直分解能0.005nm)に二軸力/変位トランスジューサを組込んだナノ加工装置を用いて,ナノスケールからアトムスケールでの究極的加工の可能性を追究しています。ナノインデンテーション,ナノスクラッチング,ナノ隆起微細加工等を含むナノマシニング法の開発を試みています。AFMを用いたアトムスケール加工の一例を図7(図7 PDF)に示します。